万博album



'09実業団開幕レース、
平成21年3月20日(金・祝)に開催されました
万博クリテリウムの画像を Upしました。


albumはこちら→ → album


そして、
同日・開催された大阪車連競技(エリート)で優勝した辻俊行選手より
感慨深いコメントが届きました!


15年の軌跡


 自転車競技を始めて15年。
 やっとロードレースの表彰台で真ん中に立つことができました。
 これはいつも応援してくださる皆様のおかげであることは
 言うまでもありません。


 コースが自宅から3キロということで、
 本気で優勝を狙っていました。
 ウォーミングアップももちろん今まで3000回は走っているコースを

 1時間ほど走りましたが、
 まさかあんな気持ちで
 このコースを走る日が来るとは、
 夢にも思っていませんでした。

 
 コースは自分が得意とする、
 ゴール前が登りというセッティングで、
 もしゴール勝負になれば、かなり勝算があると感じましたが、
 地元で最後だけ狙うレースはしたくなかったので、
 中盤までに逃げ集団を作り、
 そこからゴール勝負に持ち込むことにしたかったのですが、
 うまくいかず、結局ゴール勝負になりました。


 最後は自分の前が詰まっている間に、

 学生に行かれてしまい、かなり追い詰めるも
 2位になってしまい、
 ゴール後は茫然としていました。
 しかし、ほどなくすると周りが
 「優勝優勝!」というのですが、
 はじめは何のことか全くわかりませんでした。


 そしてそこで初めて、アンダークラスと一緒に走っていたことを知りました。
 しかし、まったく優勝したという気持ちにはなれず、
 真ん中に立ったエリートの表彰台の上でも、違和感しかありませんでした。
 でも、辺りを見回すと、この15年間でできた仲間たちが自分事のように、
 優勝を喜んでくれているのを見て、それがうれしくて、
 「まあ、喜んでもいいかな?」という気持ちになりました。



 正直言って、自分の中では
 エリートで表彰台の真ん中に
 立てた事よりも、
 仲間が喜んでくれている
 事の方が、よほど自分には
 価値があり、嬉しい事でした。




 私自身、ゴール前が登っているコースでのスプリントが得意で、
 それが唯一の武器なのですが、これは三浦さん、安原さん、三船さんという
 3人の師匠からいただいたものです。

 
 今現在私自身が、とある高校の監督をし、
 日頃から部員たちと一緒に走っているときにいつも思うのが、
 「よく三浦さんや安原さんは自分のような素人に毛がはえただけの選手と
 一緒に練習してくださったな」ということです。
 相手は一流のプロに対し、こちらは3流以下のフラフラ走りの素人です。
 いつこけるかわからない選手とよくあそこまで、
 一緒に練習をつけてくれたものだと、
 部員と走れば走るほど、
 師匠に対する感謝の気持ちが増えていく毎日です。


photo:T.Omori


 よく嫁に言われるのは、
 「安原さんに練習つけてもらう前のモガキは、
 毛虫が這ってるみたいなモガキ方というか、モガけてなかったで。
 安原さんに練習つけてもらってから、
 あ〜もがいてんねんな〜と分かるようになったんやで〜。
 あんた安原さんに感謝しーやー」という事ですが、
 「めちゃめちゃ感謝してるっちゅうねん」とよく言うてたものです。


 あの3人の師匠に出会わなければ今の自分はありません。
 感謝してもしきれないほど感謝しています。


 しかし、今回の優勝の報告はしません。
 「優勝」というのは前にだれもいないから「優勝」であり、

 今回は前に1人います。
 「超」のつく一流の師匠3人に「2位やけど 1位でした」
 なんて口が裂けても言えません。
 近いうちにどこかのレースで両手を挙げてゴールして、
 その時は自分から報告しようと思います。




 15年の自転車人生のなかで
 私は本当にいい仲間たちに出会いました。
 今回の優勝でそのことが確認できたことだけでも大きな収穫です。
 しかし、15年のなかで唯一後悔していることがあるとすれば、
 それはキナンチーム時代に三浦さんから初めて頂いた(サポートしてもらった)
 OGKのサングラスを失くしてしまったことです。
 (OGKさんごめんなさい)
 自転車を始めて、初めて供給してもらったものであり、
 とてつもない重みを感じたのを覚えています。


 そのサングラスは、
 自分で買ったいかなる高価な自転車の部品よりも大事なものであり、
 それを失くしてしまったことが、
 この15年間で唯一後悔していることかもしれません。


 いずれにせよ、
 これからもお世話になった人たちに恩返しするために走ります。
 自分にはそういう走り方しかできません。
 本来なら昨年で区切りをつけるはずが、
 秋の加東ロードで鼻とアバラを骨折したために、踏ん切りがつかず、
 今年も走ることにしたのですが、
 今思えばあの骨折は、神様からのプレゼントであり、
 今回の優勝はそのおまけみたいなもんなのかな?と思っています。


 前にだれもいない優勝は、神様からいただくつもりはありません。
 かならず自分の力で掴みます。


 自分の周りには超一流の仲間がたくさんいるので、怖いものはなにもありません。
 これからも、頑張っていきたいと思います。



 優勝の時に副賞でもらった5,000円分のマックカードを
 調子に乗ってすべて部員にあげてしまったことが、
 この15年間の中での2番目の後悔になっています。  』

 
                2009.03.23 TACURINO-KS Material 辻 俊行

  


  副賞のマックカード配布現場!嬉しそ〜な部員たち!